仕事の合間をみて更新しています『とーるのアマゾン奇行記』
今回で4回目、最終回となります!
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今回は皆さんお待ちかね!アマゾン原生林のレポートですっ!
あの『ブラジリアンローズウッド』ハカランダの仲間の大木や
希少になっている『エボニー』黒檀の木など、
レア度満点の楽器好きにはヨダレがでるような写真たち!
しかし残念ながら『マホガニー』を原生林で見ることはありませんでした。
僕がお邪魔した原生林は現在、日系人の長老的存在アライさんにより森林保護区として守られています。
しかしこれを見てください。
『伐採禁止』と書かれた看板が密猟者によって叩き割られています。
マホガニーの木は密猟者によってそのほとんどが伐採され、原生林でその姿を見ることはありません。
それほどまでに、アマゾン原生林の違法伐採は横行しているのです。
↑世界の森林面積増減地図。アマゾン川流域で森林減少が集中しています。
違法伐採と思われるトラックも、頻繁に目にしました。
海外からの違法伐採もありますが、深刻なのはアマゾン現地の住民がそういった違法な伐採に手を貸してしまう実態。
彼らは農業が上手くいかなかったり、生活の貧しさに耐えきれなくなり、原生林の伐採に手を染めてしまいます。
アマゾンでの農業支援は、原生林を守るためでもあるのです。
そしてその農業を通じ、現地農家が収穫を得ながら絶滅危惧種となってしまった『マホガニー』を植える。
混合農法により『森をつくる農業』と呼ばれる『アグロフォレストリー』は、同時に
『森を守るための農業』でもあるんですね。
それでは!少しアマゾンの現状を知ったところで
お待ちかね、アマゾン原生林の様子をお楽しみください★
案内人は先ほどご紹介したアライさん★
それでは、いざ!ジャブ○ーへ侵入!←
IPE ROXO
ノウゼンカツラ科の樹木で材木としても非常に価値がある木。
アマゾンでは最も重要な木材のひとつとされる。
非常に硬い材でウッドデッキなど建築用材として利用されますが、硬すぎて楽器に用いられることはあまり無いようです。
この木も伐採が進み、希少な材木となっています。
巨木すぎて上が見えない・・・\(゜ロ\)
アマゾンでは、木々の生物競争が激しく、このような大木でも地中深くまで根を張ることができないらしい。
加えて原生林の面積減少により風が通りやすくなる。
結果、雨風で大木が倒れ、ドミノ倒しのように木々が倒れてしまう。
つい2日前までは倒れていなかったという木
本当にドミノ倒しになってる・・
エボニー(黒檀)の木を発見!
根を削ると、お馴染みのあの黒い木肌が見えてくる。
こちらはローズウッド(紫檀)の一種
さらに原生林を進む。
道中、密猟者に殺されたと思われるナマケモノに出会う
まだ死んで日が経っていない様子
またしばらく歩くと、地面から水がわき出ているのを発見。
湧水はいたる所から湧き出て、大きな流れになりアマゾン川へと合流する。
幻想的な光景に癒されながら、原生林の出口へと向かう
大木が腐敗し倒れている。
倒れた木は微生物によってゆっくりと分解され、土に還る
そうした循環が何万年も繰り返され、原生林を形作っている。
そして原生林を出たところは、アライさんの農場になっていた。
この農場では、木材フェチ←
でもあるアライさんらしく、多くの貴重な木が植えられていた。
なかには樹齢30年のマホガニーも!
さらに初めて目にする、
アフリカンマホガニー(サペリ)も植えてあった!
アフリカンは当然アフリカ産であるが、正確には『マホガニー』ではない。
同じセンダン科の樹木だが『サペリ』という木で、その見た目はマホガニーとは明らかに違う。
ではなぜ『マホガニー』と呼ばれるのか。
それは製材してしまうとその木肌がとても似ているため。
ほかにも、インドネシア産の
フィリピンマホガニーはフタバガキ科の『ラワン』
ソロモンマホガニーはムクロジ科の『マトア』という
生物学的にはまったく異なる木が『マホガニー』の名で流通している。
そもそも何故こんなことになったのか。
それはやはり、南米産のマホガニーが過剰伐採により入手困難になったから。
その事実を忘れて『マホガニー』を使い続けていると、きっとまた同じ過ちを犯してしまうと思う。
それは他の樹木もそうだし、ある特定の生き物が人間の行いで絶滅してしまうのは、とても寂しいことだと思う。
そして、そうした事がらにミュージシャンや音楽愛好家が関わっていた事実も忘れてはいけない。
だからSwEではミュージシャンやオーディエンスに対し、事実を知ってもらい、『募金』というマホガニーを植えるお手伝いをしてもらってる。
そうする事で過去の過剰伐採という過ちを償い、未来のあり方を考える。
二度と同じ事を繰り返さないために。
ここに、一枚の写真があります。
なんの木だと思いますか?
なんと、
あの、
ブラジリアンローズウッド(ハカランダ)です。
アライ農場に1本だけ、植わってます。
しかし、この木はご存じのとおり絶滅危惧種。ブラジル中を探しても数見れないかもしれない超希少種。
なかなか人工的に育てるのは難しいとのこと。
枯れては成長し、いびつに歪んでしまい、これ以上成長できないとアライさんは言っていました。
これも、人間による犠牲者です。
もっと早く事態に気づき手を打っていたなら、ここまで枯渇が進むことはなかったかもしれない。
今、できる事を逃したくない。
↑焼畑により、『一人ぼっち』になった樹木
これにて、アマゾン奇行記~原生林編は終了です。
最後まで読んでくれてありがとうございますっ!
また来年、アマゾンがどう変わったか
お届けできればと思います!!
SwEの活動はまだまだ始まったばかりっ★
これからも応援、ご協力をどうぞよろしくお願いしますっ!!!
SwE代表 都谷 享(ツダニトオル)
アマゾン川分流にて